まえがき

これまで社内で運用して来た SCM (Subversion) と BTS (Mantis) を、外部のホスティングサービスに移行することになった。
以前から BTSRedmine に切り替えたいと思っていたので、SubversionRedmine が使えるホスティングサービスを http://www.svnhostingcomparison.com/ で探してみた。
最終的に採用したのは AVLUX ( http://avlux.net/ )というサービスだが、その前に SourceRepo ( http://sourcerepo.com/ ) も試してみたので、両者の違いに重点を置いて簡単にレビューしてみる。

SourceRepo

今回申し込んだのは月額 6.95 ドルの Level 2 プラン。SCM として Subersion, Git, MercurialBTS として Trac, Redmine が利用できる。
リポジトリ数、プロジェクト数、ユーザー数すべて無制限で、ディスクスペースは 1GB。プランをアップグレードするとディスクスペースが増やすことができて、例えば 3GB だと月額 12.95 ドル(いつでもアップグレード可能)。
さらに、毎時バックアップや、データの移行作業もこの料金に含まれている。

SourceRepo の特徴は「コントロールパネル」と呼ばれる操作画面で、一般的に想定されるほとんどの操作がブラウザから実行できるようになっている。トップページの紹介ムービーでは SCM リポジトリの作成とユーザー管理くらいしかみることができないが、例えばあるユーザーに対して特定のリポジトリ、パスにのみアクセス可能、といった細かい権限設定もできる。
また、Subversion の dump ファイルをアップロードすることができるようになっているので、リポジトリの移行もブラウザから実行できる(ただし dump ファイルのサイズが 500MB を超える場合はサポートに連絡が必要とのこと)。

Redmine のプロジェクトもコントロールパネルから作成するようになっていて、これによって本来 Redmine 側で必要となるリポジトリ設定が自動で行われる(これは言い換えるとユーザーがリポジトリ設定を変更することはできないということでもある)。
もう一つ便利だと思ったのは、Redmine のカスタムテーマを zip ファイルとしてアップロードすることで利用できる機能だ。細かいことだが、最初のうちは頻繁に更新するつもりだったので、いちいちサポートに連絡しなくて済むのはありがたいと思った。

サポートに関しては基本的にチケット制で、一般的な内容に関しては一日以上待たされることはなかった。また、後になって気づいたが、Community Chat Room というのがあって、2、3名のサポート担当者が常駐しているようだ。

コントロールパネルが使いやすいので、既存データの移行がなければサポートとのやり取りなしでも運用できると思う。
一点だけ気になったのは、ときどき Redmine のレスポンスが悪いときがあったことだ。

AVLUX

今回申し込んだ V-Entrepreneur プランは、月額 20 ドルで SubversionTrac, Redmine が利用可能。ディスクスペースは 2GB。リポジトリ数、プロジェクト数、ユーザー数の制限は無い。ディスクスペース 5GB の上位プランは月額 30 ドル。
注意点としては、プランの説明にある SSL 接続は Subversion のみで RedmineSSL 経由で使いたい場合には別途オプション(年間 50 ドル)を購入する必要がある(DNS キャッシュの問題だと思うが、購入してから利用可能となるまで二日ほどかかった)。
データ移行についてはプランの説明には含まれていないが対応してくれた(申し込み前に確認した方が良いと思う)。

セットアップについては、AVLUX の場合ほとんどの作業をサポートに依頼することになる(チケット制)。今回依頼した作業は・・

Subversion のユーザー管理はブラウザからできるようになっているが、面倒なことにリポジトリは一つ一つ独立していて、ユーザーもリポジトリごとに作成する必要がある。リポジトリ数やユーザー数が多い場合は覚悟した方が良い。

Redmine の方は普通にインストールされた状態で、プロジェクトの作成やユーザー管理も通常の手順で行う。

応答速度に関しては良好で、Redmine, Subversion とも遅いと感じることは今のところ無い。

AVLUX に関して気になったのは、一連のサポート依頼に対して対応してくれたのが一人だけ(ホームページに写真が載っているアンドリューさん)だったことだ。
一応チームで動いていることをにおわせる表現は使っているが、作業のペースを見ても複数の技術担当者がいるようには思えなかった。